2012年10月20日土曜日

現代 書店考 ハイブリッドな本屋さんが持つ意味

私は本が好きです。

暇があると書店にいきます。もっとも最近は紙だけではなく、電子書籍も買います。

最近は特に洋書類はKindleが便利なので電子書籍にはしっています。また紙の本も「Amazon」をはじめネットで買うことが多いです。だからといって本屋がなくなっても良いのかというと全く違います。

実は自分は結構な書店フリークなのでは、と思っています。時間がある時に立ち寄るのは本屋が多いですし、地方に出張に行けばまず書店を探します。アメリカによく出張していて時も、やっぱり書店に入り浸っていました。

とはいえ、昨今の書店は廃業するか、あるいは超大型化するかのどちらかにはしっています。もっとも、これは業界問わずに進んでいる傾向ですが。

古書まで含めると「超専門店化する」ということも選択肢にあるかもしれませんが、今回のブログ記事ではいったんスコープから外します。

ということで現在生き残っている書店を見ると、その傾向は2つに分かれていると思います。

一つは紀伊国屋、丸善、ジュンク堂、ブックファーストなどを初めてする超大型チェーンですね。筆者が住んでいる京王線沿いの啓文堂などのような比較的ローカルな大型チェーン店もありますね。

そして、もうひとつは、最近流行りのブックカフェ的なちょっと雰囲気があって、また本の品揃えもその店の店主や、ブックコーディネータなどが特徴を出しているお店などがありますね。

私個人としては、どちらのタイプのお店でも比較的滞在時間が長くなること。そして何かをつい買ってしまうこと。

一方で違うのそのお店の中での過ごし方です。

大型店のほうは基本的に「本を探す」ことそのものが目的と言えます。目的外なのかそれとも棚をグルグルと回って意外なものと出会うのが目的なのかはともかくとして、
「情報と出会う」
ということが意識の中心にあるのではないかと思います。

一方でブックカフェなどを含むハイブリッド店の場合には、目的が違いますね。
お店によって本が「主」か「従」かはともかくとして、「本」そのものだけでなくその本が作り出す空間や雰囲気も合わせて楽しむ。言い換えると、本が作り出すその文化を求めにいくのかもしれません。言ってみれば「本を中心にしたサロン」。

ちょっと思いつくところで私が好きな場所としては、

新宿の「ブルックリンパーラー」
http://www.brooklynparlor.co.jp/

あと、リゾートあたりにいくと
小淵沢のリゾナーレの中にある「ブックス&カフェ」
http://www.risonare.com/en/shop/shop05.html

他にもまだまだありますが、あとはこちらのまとめサイトをご参考に。
http://matome.naver.jp/odai/2130881468676245401

そこは、書物に書かれている情報を獲得する場所ではなく、そのまわりに付随する情報をその空間や雰囲気という文脈全体を楽しむ場所であることです。

強引にサマリーするとやっぱり大型書店は情報の目的買いのための場所、最近出てきたハイブリッド型店舗は文脈を楽しみながら本に出会う場所ともいえます。

もちろん、本屋さんでも文脈で本を変える場所がないではありませんが、圧倒的少数で多くの人にはまだ馴染みがないようです。残念ながら、そんな場所の一つであった丸善の中にあった「松丸本舗」は、2012年9月30日に閉店してしまいました。

しかし、本に出会う場所としてハイブリッド型の雰囲気が楽しめる場所は実はふさわしいのではないでしょうか。

私がイシス編集学校で学び、また師範代となった時に実感しているのは、まさに
「情報は一人ではいられない」
ということ。

情報は、様々なカタチをとって私達の前に現れます。
そのようなハイブリッドなカタチをとって情報を結びつけてくれるというのも私は好きです。「モノ」であったり、「動画」であったり、「写真」であったり、あるいは「音楽」であり、「食事」かもしれません。

そんな場所で、今日もまた「本」に出会いたいと思います。

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