2012年12月15日土曜日

製品の寿命・・・いまだに魅力のあるカセットテープレコーダー

ソニーが最後のテープレコーダー「TCM-410」の出荷を終了したそうです。

TCM-410



私自身最後にテープレコーダーを使用したのは、いつだったか思い出せないほどですが、学生時代には随分とお世話になりました。

そうそうこれが欲しかったのですが、当時子供だった私には高嶺の花で親にねだるくらいしか方法がなかったのが懐かしい思い出です。

National RX5700


FM放送のエアチェックに始まり、まだビデオが自宅になかった子供の頃には好きなテレビ番組の音だけでも録音しようとテレビの前にラジカセを置いて録音しました。

レコードももっと気安くきけるようにとわざわざカセットテープに録音して、ウォークマンで出かける時に聞きました。

高校でバンドをやったりとか、あるいは何か勉強目的でも何かオリジナルなコンテンツを吹き込んだりということもやっていましたね。

ノイズを下げるために録音の際にドルビーを効かせるかどうかを友達とディスカッションしたのも良い思い出です。

そう言えば少しでもクリアな音をということで、通常のテープではなく少しお金を奮発して「メタルテープ」を買ってみたりもしました。(メタルテープは、メタルポジションのあるテープレコーダーがないと使えませんでしたが)

あの頃は、たとえダビングしたところで音はどんどん劣化していったということもあったのかもしれませんが、例えば友達どおしでお互いの持っているレコードを録音しあったこともごく普通に行われて、かつ大きな問題にもなっていなかったように思います。

もちろん手間もかかるし、コピーされるもののボリュームが圧倒的に少なくなかったので業界的にもそれほど著作権に目くじらを立てるような状況でなかったのかもしれませんが。当時そのような状況に何かディスカッションがあったのか調べてみようかな。

おっと今日は話しをそちらにふるつもりはありません。

でも案外テープの愛用者がいるというのに気がついたのも最近です。つい先日、ある取材にいっしょにでかけた方が取材の録音にテープを使用されていました。

ICレコーダーの場合普段から使いつけていないといざ本番で戸惑って結局録音ができていなかったということがよくあるというのは、その人だけでなく色々な方から聞くことがあります。(私自身はiPhone/iPadアプリを使用していますが)

でもテープレコーダーの場合は、プリミティブなだけにその手の失敗が少ないので使い続けるということになります。実際、録音をして取材内容の確認のために再生をする、という段階ではICレコーダーでもテープレコーダーでも案外手間は変わりません。

カセットテープ(厳密にはコンパクトカセットになると思いますが)をTDKが発売したのが1966年だそうですが、つまりそれから半世紀近くも現役であり続けています。

レコーダーの生産が中止になっても当分の間使われ続けるでしょう。

今開発されているもので、今から50年たっても現役であり続けるコンシューマ・エレクトロニクス製品ってあるのかな・・・。

カセットは確かにレトロな感じもしないでもありませんが、別に古くささは感じないし、というかいまだに不思議な魅力を感じるのは私だけでしょうか。



2012年10月29日月曜日

響く製品は本質をついている

本日のTechOnにトンボ鉛筆の新製品が紹介されていました。

トンボ鉛筆、机の上から転げ落ちにくいシャープペンを発売

「ユラシャ」という名前のシャープペンシルで、ペン胴軸の重心が偏っているため少々乱暴に机の上に置いたとしても、転がっていかないということが肝のようです。

なるほど、面白いですね。通常このような製品の場合重心を偏らせるということは考えないと思いますが、それを逆転の発想で捉えたわけですね。

ただ、せっかくの新製品にケチをつけるわけではないのですが、正直自分に響いた製品か、といわれると残念ながら個人的には響きませんでした。

でも、なんで自分に響かなかったのだろうと考えてみました。

もちろん、既に間にあっているという言い方もできるかもしれませんが、もし自分で気がついていない欲求を引っ張りだすようなものであれば、今必要としているかいないかは大した問題ではなかったでしょう。

では響いた製品は何?

では、その一方で響いた製品はなんでしょう?と考えるといくつかあります。

例えば、つい最近発表されたバルミューダの空気清浄機「JetClean」です。
この製品については、先日私も新製品発表会に行った時の記事を書きました。


なぜ、響いたのかとあらためて考えて見ると、これまでの空気清浄機を大きく上回るであろう清浄力と、特に従来の機械では難しかった「花粉」への対応力など、この空気清浄機があれば、何か部屋の中が大きく変わりそうなことを感じたからです。

もちろんデザインも素晴らしいし、使い勝手も良さそうです。しかし、空気清浄機として最も大事な本質的な機能である「空気を清浄する力」が大きく変わった、と感じたことでしょう。これがなければ、単に新しい格好良い製品がでてきたくらいでインパクトがなかったと思います。

バルミューダは、2010年に発売以来、好調な売上を伸ばしている「GreenFan」も、やはりこのような本質を変えた製品と言えます。

それまでの扇風機と言えば、電気屋さんに行っても「いや~、どれを買っても同じですよ」と言われる存在でした。ところが、ダイソンの扇風機が発売され、さらにその後にGreenFanが発売されましたが、GreenFanは3Wという非常に少ない消費電力というエコな観点と同時に、自然な風を創りだしてくれるという、扇風機のもっとも本質的な機能である「風を送る」という機能において変革を遂げたのです。

つまり、バルミューダの製品は、その本質的な機能に大きな変化を、消費者に響く形で変化を起こしたということです。

この例は他にもあります。

拙著、「デジタルで起業する!」にも登場していいただき、最近テレビでも取り上げられている、Bsizeの八木社長の最初の製品、LEDのデスクライト「STROKE」は、その優れたデザインもさることながら、デスクライトの本質である「照明」の機能が一番のポイントですが、もちろんライトにとって照明は最も本質的なところ。決して格好良いだけではありません。

やはり「デジタルで起業する」に登場していただいた、グラモの後藤社長が出しているiRemoconも、もちろんデザイン性にも優れた製品ですが、そもそもの発想はスマートリモコンを、誰でも使いやすく提供をしようという本質的な機能の提供にもっとも力を注いでいるのです。






大事なのは本質的な機能をユーザにとって響く形で提供すること

もちろん、細かい改良を重ねていくことは大事なことです。

でも、その発想のままでは響く製品を作ることにはつながらないと言えそうです。

本質論に戻ると、先程のシャープペンは確かにちょっとおもしろくて便利な機能は提供しましたが、でもペンや鉛筆の本質である「書く、あるいは描く体験」を本質的に変えてくれるものではありません。

シャープペンではなくて、ボールペンの話ですが、私が現在使っているのはスイスのキャランダッシュ製のものを使っています。

それなりの値段はしましたが、もう10年近く毎日使っています。

このペンの気に入ったところはいくつもありますが、もっとも大事なポイントは、多くのボールペンが大なり小なり液漏れを起こしますが、ところがキャランダッシュ製のこのボールペンは、その悩みに悩まされることがないのです。

もともとこの液漏れがないという評判を聞いて、キャランダッシュ製のボールペンを買ったのですが、そのとおりで書き心地もよくとても満足しています。

結局のところ、いかに本質をついた製品を作っているのか、もし同じ分野で新しい製品を提供するのであれば、いかにその本質に突っ込んで、ユーザの体験を変えるような製品にするのか、それが結局のところ受ける製品になるのか、というところに繋がるのだと思います。

参考までに、やはりTechOnにこのような記事もありました。


この中でに
「それがギミック(gimmick)なら開発しない」と断言した。売り上げを少し上げるためだけの小手先の技術開発なら意味がないという意味だ。逆に、ユーザーや社会に変革をもたらすと確信すれば、たとえ後発であっても採用に踏み切るといえる。
という表現がありました。これは言い換えると、本質をついたものでなければ意味がないと、私は理解しました。

デザインにせよ、機能にせよ、あくまでも「本質」が重要ということですね。

2012年10月27日土曜日

デジタルで3DなFABのセミナーを開催します

11月23日(金・祝日)に「デジタルで起業する! 大手メーカーにはできないひとり会社の成功方法」の出版記念的セミナーを開催します!
内容は、まさに今が旬!な世界的な動きである「FAB」の流れに乗るための第一歩です!

お申し込みはこちら

【こくちーず】http://kokucheese.com/event/index/58972/
【Facebook】https://www.facebook.com/events/331179073646735/


「FAB」という言葉をご存知でしょうか。
ここ数年、世界的に流行ってきていることばです。

FABをご存じなくても「3Dプリンター」という言葉を聞いたり見たりされた方も少なくはないと思います。

さらに、この秋になってNHKの番組「サキドリ」やテレビ東京の「ガイアの夜明け」で「一人家電メーカー」の方が紹介されてきています。

今、何が起きているのかというと、「モノづくり」をするための道具やソフトウェアが大幅に安く、そして使いやすくなってきていて、自分でもメーカーを始めてみたい、という人にとってのハードルが大きく下がってきているのです。

「3Dプリンター」などを使うことで、すぐに自分の望む製品をコピーできる形で複製していくこともできるのです。自分の創りたいモノの造型データさえ作ってしまえば、あとは製品にすることも可能なのです。

自分が望むものを誰にも邪魔されることなく作り上げ、そして販売することも可能なのです。つまり、今は「個人」にとって大きなチャンスなのです。

この3Dプリンターを使うために必要なものが「3D」データです。
(紙のプリンターを使うためには、ワードや写真などのデータが必要なのと同じことです)

そこで、今回は「デジタルで起業する! 大手メーカーにはできないひとり会社の成功方法」の出版記念を兼ねてその第一歩となるセミナーを開催します。

みなさんに自分オリジナルの「iPhoneケース」を作っていただきます。



今回のセミナーでは、オリジナルiPhoneケースの制作を通じて、3D CADを使った3Dデータの作り方を勉強していただきます。基礎さえ学べば、実は「私はAndroidしか持っていない」という方でも、セミナーの後に自作していただけますし、自分オリジナルのアクセサリや小物、プラモデルを作ることも夢ではありません。

これを機会にみなさんもアイデアをカタチにしましょう!
今回は3Dプリンターの出力代程度で、モデリングが勉強できるオトクなチャンスです!

また、事前に
デジタルで起業する!

を読んでおいていただくと、創りたいものについてのイメージが膨らんでくるかもしれません。

【開催概要】

[FAB →ZEN 〜iPhoneケースを自作しよう!〜]
内容:無償の3次元CAD「Autodesk123D」でiPhoneのケースをモデリングします。
日時: 2012年11月23日(金・祝日)13:00~16:00
場所: ZEN Coworking (東京都 日野市 高幡 2-25 開運井村ビル 2F)
主催: ZEN Coworking
参加費:6,800円(3Dプリンタによる制作費等実費6000円込)*
定員: 10人
持ち物:あらかじめAutodesk123DをインストールしたWindowsパソコン**
講師:水野 操
事前の知識:特になし。但し全くパソコンを触ったことがないときついかもしれません。


お申し込みはこちら

【こくちーず】http://kokucheese.com/event/index/58972/
【Facebook】https://www.facebook.com/events/331179073646735/



* iPhoneケースサイズのものを3Dプリンタで制作すると、一つ出来上がるだけで2〜3時間ほどかかります。見ていて非常に退屈ですし、10人分作ると軽く20時間以上かかることになりますので(^^ゞ、今回はデータを制作したところで終了します。後日できあがったiPhoneケースをZENに保管させていただきますので、ご都合が良い日に取りにいらしてください(送料着払いでご自宅へお送りすることも可能です)。

** 3D CADのソフトウェア(Autodesk123D)は、あらかじめご自分のWindowsパソコンにインストールしていただくか(イベント直前にご案内のメッセージをお送りします)、イベント開催日の午前中からいらしてインストール作業を行なってください(お手伝いします!)

2012年10月23日火曜日

空気清浄機の基準を書き換える「JetClean」 by バルミューダ株式会社

2012年10月18日 17:00に原宿のクエストホールでバルミューダ株式会社の新製品発表会が行われた。小雨模様の肌寒い日だったが大勢の出席者で熱気にあふれた会場だった。

この発表会で登場したの画期的な空気清浄機「JetClean」だ。

空気清浄機が再発明されてしまったかもしれない

何がどうすごいのかというともちろんそれは空気清浄機の基準を書き換えてしまうのではないか、と思われるその性能だ。

空気清浄機自体は新しいものではない。むしろ老舗がいる確立した家電のドメインであるともいえる。だが、バルミューダは「JetClean」でその常識を打ち破ったとも言える。

だが、このスタンスはバルミューダの真骨頂かもしれない。バルミューダは何よりも扇風機「GreenFan」でやはり扇風機の常識を変えた。安いもの一辺倒に流れていた扇風機にダイソンとともに高級な扇風機というドメインを確立しているのだ。

さて、その空気清浄機の何がすごいって、その空気清浄力だ。
空気清浄機なのだから、空気中の浮遊物を取るのは当たり前と思われがちだが、今回バルミューダが発表した「JetClean」を見れば、実はまだまだ改善の余地があることがわかる。

発表の冒頭で、バルミューダ株式会社の寺尾玄社長は、私のたちの身の回りはいかに出すダストに取り囲まれているのか、そして部屋をきれいするはずの掃除をしている時にも、ダストがいかに巻き上げられているのかを映像を見せながら説明した。

それを見る限り、実は空気清浄機は私達の生活を変えうるものであることが実感される。
そのことについては、後ほどまた説明する。

まず、その形状はシンプルではあるが、無駄がなく美しい。
そして、寺尾社長によれば、接地面積は非常に小さくA4サイズの紙一枚よりも小さい。こは、従来の製品と比較すると約60%である。

JetClean

そして、肝心のパワーであるが毎分1万リットルもの空気を循環させる力がある。適用畳数も国内最高性能の36畳である。つまり、それだけ小さな筐体から大きな力を出しているのだ。

今回発表のJetCleanでは、空気清浄機ではマイナスイオン技術を使っていない。
寺尾社長によれば今回の発表までには、この製品でマイナスイオン技術をしようするまでには効果が確認できなかったという。

そのかわりにフィルターにこだわっている。たとえ、マイナスイオン技術を使って集塵しても最後にどうやってダストを取るのかというえば、やはりフィルターである。ということで徹底的にフィルターにこだわったのだ。

JetCleanでは、8メートルもの長さのHEAP性能素材をプリーツ状に折りたたみ360°のフィルターにして。HEAPフィルターはクリーンルームでもメインフィルターとして使用されるものである。約0.3ミクロンのウイルス程度の粒子でも除去できる。

実験では、6畳なら15分で除去できるようだ。

実際のそのすごさを壇上でデモンストレーションした。



軽々と紙風船を拭きあげていることがわかる。
ところが、これはまだフルパワーではないのだ。



フルパワーになるとリボンを3メートルも上に吹き上げる。
これくらいになると、空気をきれいにしながら部屋の空気の充分に循環できそうだ。

もちろん、しっかりとダストも集めている。



そして、そこで寺尾社長は大きなキーワードを持ってきた。

「花粉」

だ。

花粉症の救世主かも

もはや日本の国民病と言ってもよいだろう。
花粉対応力についても、従来の空気清浄機と比較すると圧倒的なパワーを発揮する。

寺尾社長によれば、空気清浄機で花粉を除去するのは非常に難しいとのことだ。実際、掃除機のほうが向いているともいえる。

なぜかと言えば、花粉は他のダストに比べると大きくて重たい。
だから、舞い上げられても床に落ちてしまうのだ。

そして従来の空気清浄機では、花粉を集めるだけの十分な気流が作れなかったのだ。

ところが、ここまで紹介したパワーでこの気流が作れてしまうのがJetCleanだ。

実験では、5分間稼働させただけで、部屋の反対側の粉塵を花粉を除去することができた。



驚くべきことに、従来の業界トップの製品でも除去率が3%だったのに対して、JetCleanではなんと38%だ。




これは、ひょっとしたら花粉症の人にとっては大きな救世主になるかもしれない。

さて、これだけのマシンだが、決して主張しすぎるマシンではない。
大きなパワーの割に筺体は小型だ。

操作ボタンも3つしかない。
迷いようがない、といったらよいだろうか。

さらに、ハイパワーのマシンだが、のべつまくなしにフルパワーで動くわけではない。
寺尾社長は日常の生活シーンに合わせた利用を提案している。

朝人が動く時や掃除をする時などはフルパワーで、一方で落ち着いてそれほどダストが巻き上がらない時には、パワーを落としてという柔軟な使い方ができる。

今回の機械が稼働していたのは発表会という場所で比較的うるさい場所だったからかもしれないが、それでも機械の動作音は気にならなかった。

価格は46,800円だ。
価格をどうみるかは個人によるが、これはバーゲンかもしれない。
これだけの空気清浄力を持ちながら、エアサーキュレーションすらできる力もあるのだ。

ひょっとしたら、この空気清浄機は自分の生活を変えるかもしれない。

「JetClean」に対してそんなことを思った。

来年の春の花粉症のシーズンまでには買っておこうか・・・。

2012年10月20日土曜日

現代 書店考 ハイブリッドな本屋さんが持つ意味

私は本が好きです。

暇があると書店にいきます。もっとも最近は紙だけではなく、電子書籍も買います。

最近は特に洋書類はKindleが便利なので電子書籍にはしっています。また紙の本も「Amazon」をはじめネットで買うことが多いです。だからといって本屋がなくなっても良いのかというと全く違います。

実は自分は結構な書店フリークなのでは、と思っています。時間がある時に立ち寄るのは本屋が多いですし、地方に出張に行けばまず書店を探します。アメリカによく出張していて時も、やっぱり書店に入り浸っていました。

とはいえ、昨今の書店は廃業するか、あるいは超大型化するかのどちらかにはしっています。もっとも、これは業界問わずに進んでいる傾向ですが。

古書まで含めると「超専門店化する」ということも選択肢にあるかもしれませんが、今回のブログ記事ではいったんスコープから外します。

ということで現在生き残っている書店を見ると、その傾向は2つに分かれていると思います。

一つは紀伊国屋、丸善、ジュンク堂、ブックファーストなどを初めてする超大型チェーンですね。筆者が住んでいる京王線沿いの啓文堂などのような比較的ローカルな大型チェーン店もありますね。

そして、もうひとつは、最近流行りのブックカフェ的なちょっと雰囲気があって、また本の品揃えもその店の店主や、ブックコーディネータなどが特徴を出しているお店などがありますね。

私個人としては、どちらのタイプのお店でも比較的滞在時間が長くなること。そして何かをつい買ってしまうこと。

一方で違うのそのお店の中での過ごし方です。

大型店のほうは基本的に「本を探す」ことそのものが目的と言えます。目的外なのかそれとも棚をグルグルと回って意外なものと出会うのが目的なのかはともかくとして、
「情報と出会う」
ということが意識の中心にあるのではないかと思います。

一方でブックカフェなどを含むハイブリッド店の場合には、目的が違いますね。
お店によって本が「主」か「従」かはともかくとして、「本」そのものだけでなくその本が作り出す空間や雰囲気も合わせて楽しむ。言い換えると、本が作り出すその文化を求めにいくのかもしれません。言ってみれば「本を中心にしたサロン」。

ちょっと思いつくところで私が好きな場所としては、

新宿の「ブルックリンパーラー」
http://www.brooklynparlor.co.jp/

あと、リゾートあたりにいくと
小淵沢のリゾナーレの中にある「ブックス&カフェ」
http://www.risonare.com/en/shop/shop05.html

他にもまだまだありますが、あとはこちらのまとめサイトをご参考に。
http://matome.naver.jp/odai/2130881468676245401

そこは、書物に書かれている情報を獲得する場所ではなく、そのまわりに付随する情報をその空間や雰囲気という文脈全体を楽しむ場所であることです。

強引にサマリーするとやっぱり大型書店は情報の目的買いのための場所、最近出てきたハイブリッド型店舗は文脈を楽しみながら本に出会う場所ともいえます。

もちろん、本屋さんでも文脈で本を変える場所がないではありませんが、圧倒的少数で多くの人にはまだ馴染みがないようです。残念ながら、そんな場所の一つであった丸善の中にあった「松丸本舗」は、2012年9月30日に閉店してしまいました。

しかし、本に出会う場所としてハイブリッド型の雰囲気が楽しめる場所は実はふさわしいのではないでしょうか。

私がイシス編集学校で学び、また師範代となった時に実感しているのは、まさに
「情報は一人ではいられない」
ということ。

情報は、様々なカタチをとって私達の前に現れます。
そのようなハイブリッドなカタチをとって情報を結びつけてくれるというのも私は好きです。「モノ」であったり、「動画」であったり、「写真」であったり、あるいは「音楽」であり、「食事」かもしれません。

そんな場所で、今日もまた「本」に出会いたいと思います。

2012年10月18日木曜日

Autodesk123D Catchに興味が集まる理由・・・アトムとビットをつなぐ鍵?

もうそろそろ、クリス・アンダーソン氏の新著「Makers」が発売予定ですね。

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

この中で、アンダーソン氏はアイデアとラップトップさえあれば、誰でもメーカーになれると説いています。そして、これによって世界の産業構造さえ変える可能性があると説いています。

さて、本当に産業構造を変えるかどうか、ともかくとして私自身もつい先日出版した


デジタルで起業する!

で、同じような主張をさせていただいております。
詳しくは、是非拙著をお読みいただければ幸いです。

さらに、3Dプリンタはさらに身近なものになってきています。様々なテレビ番組で取り上げられたり、さらには、実際に一人メーカーをやっているBsizeの八木氏が、NHKのサキドリに取り上げられるなどその露出が増えていることもあるかもしれません。

さらに、3Dプリンタを実際に見たり、試したり、あるいは出力サービスといったものもここ1、2年で増えてきています。

確かに、品質もまだ向上の余地があるものの、個人が所有できるデスクトップツールでもアイデアを形にできる時代がやってきました。

ただ、一点危惧するのは、一般的な報道だと本当に誰でも無条件で自分のアイデアが形にできてしまう、と理解されかねないところだと思います。

確かに、3Dプリンタなどがあれば、すぐに実物を出力することができます。でも、そこに一つ大きな条件があります。

それは・・・自分で3Dデータを用意できれば・・・という条件です。

*****

 先日無償の3DCADであるAutodesk123Dについて、ウェブで検索していた時何となく、気がついたのですが、Autodesk123Dのモデラー本体もさることながら、Autodesk123D Catchについての情報も多いのです。

「なぜなの・・・?」と考えました。もちろん、身近なもの、例えば好きなキャラクターなどを3次元化できたら面白いかもしれません。好きな小物も3D化できたら面白いかもしれません。

でも、もっと根本的な問題があるのでは?と考えました。

それは多分、

「例えば3Dプリンタで出力するためには、3Dデータとか言うものが必要らしい」

「でも、自分では作ることができない。どうしようか?」

「実は3Dスキャナーとかいうものがあるらしい。それに写真から3Dデータを作るものもあるらしい」

という結論に至り、探していたらAutodesk123D Catchの存在を探り当てたとのということではないでしょうか。

3Dのモデラーについては、無償でそれなりのものができるツールが出てきています。それが、Sketch Upだったり、前述のAutodesk123Dであったりします。

「Autodesk123D」については、筆者が連載しているMONOist上での連載記事「無償3DCADを試す ――そして時代は変わる? 」をはじめとして、何回か説明をしていますが、継続的にお読みいただいているようで、やはり手軽に廉価でモデリングをしたい、という需要は根強いようです。

ただ、このようなツールの登場で、モデラーの価格の問題は片付きつつあります。

それでも、やったことのない人にとっては、3Dモデリングのハードルは高いものですし、そもそもモノが欲しいだけであって、そのためにモデリングまで学びたくない、という人もいるでしょう。

つまり、実はビットとアトムをつなぐ3Dモデリングが、「デジタルで起業する!」や「Makers」の主張を現実にする鍵と言えそうです。

ちょっと、考えすぎかもしれませんが、意外にAutodesk123D Catchのようなツールが求められるのは、そんなところかもしれませんが、一般の報道でも見過ごされがちな「3Dのモデラー」と「3Dのデータ」の存在と価値は、ビットとアトムをスムーズにつなぐ上での最も大事なポイントであり、また解決すべき課題なのです。

こちらも是非お読みください。

2012年10月13日土曜日

「Delicious Library」で自分の持ち物を何でもデータベース化する!

いったいどうしてこんなにものが増えていくのでしょうね。
家の中でも、職場でもそれほどものを買っているつもりもないのに、ものが増え続けます。

筆者の場合には、それが「本」という形態をとって現れます。
それによって発生する家庭内の問題とか、スペースがなくなるは本日のお題ではありません。

せっかく買った本というものを資産として活用するには、やはりデータベースのようなカタチで整理して、そもそも自分が一体何を持っているのか、ということを俯瞰したいと思いますし、そのことによって同じ本を2冊かったとか3冊買ったという悲劇を避けることもできるようになります。

そんなことで本日は、そんなパーソナルなデータ管理ツール「Delicious Library」のお話。
図1:Delicious Library

2012年10月11日木曜日

結局高くて良いものは売れるのか売れないのか(その2)・・・「99.9%成功するしかけ」に学ぶ脱下請け

前回は、老舗繊維メーカーの廃業の話にまつわる、いわゆるサプライヤたるB2B起業が本当にエンドユーザに働きかけられる可能性があるのか?
という疑問を呈したところで終わりました。

一つの動きとして、昨今流行りの脱下請けを旗印に最終製品を作り出す動き。素晴らしいです。
でも、そのことばかりが大きく取り上げられることに、「違和感」を感じないでもない。
「脱下請けってどういう意味なんでしょう? みんなが最終製品メーカーになっちゃうこと?」
多分、そういうことではないでしょう。

どの企業もあくまでも本業を極めて、元請けの都合に左右されずに自分で自分の運命を決められることだと思います。

ということは、メーカーにでも業態転換をしない限りは、あくまでも、パーツやコンポーネント、あるいは素材を提供するという立場から、メーカーの手綱を握るような動きができることが重要だと言うことになります。

自分が部品サプライヤであっても、素材メーカーであっても、その立場を変えることなく脱下請けは可能だと思うのです。

もっと言えば自分で市場を生み出すことができると思うのです。


***

でも、具体的にはどうすれば良いのか?

そんなことを思っていた時に読んだのが、

99.9%成功するしかけ キシリトールブームを生み出したすごいビジネスモデル

2012年10月10日水曜日

結局高くて良いものは売れるのか売れないのか(その1)・・・老舗繊維メーカーの廃業に考える

本日(2012年10月10日)付けの日経ビジネスオンラインに

「いい物を作れば生き残る」のウソ
ある優良繊維メーカーの破綻

という記事があった。(*1)

詳しくは、そちらの記事を読んで欲しいのだが、つまるところ、東京都八王子市の織物メーカー、みやしんが廃業を決めたということだ。

この「みやしん」という会社は、他の業界の例えば部品メーカーや素材メーカーと同様、一般には知名度があるわけではない。しかし、この業界では高品質のモノづくりを行い、高名なデザイナーに対しても生地の提供を行い、また過去にはテキスタイルネットワーク展を呼びかけ軌道にのせ、情報発信力があったにも関わらず、廃業に追い込まれたからだ。

だからこそ、普通なら従業員9名程度の繊維メーカーにも関わらずこの廃業がニュースになったということのようだ。

この企業はバブル崩壊後、90年代後半のピークの売上の約1億5000万円から徐々に減っていき、昨年は赤字。

徐々に、「高くて良いもの」は売れなくなったいったようだ。そして、取引先からの「1メートルあたり2000円」の生地は使えない、ということが廃業への決断につながったというのだ。

さて、これは何らかのモノを作る業界では、どこでも起きていることなのではないだろうか。

2012年10月8日月曜日

「Hojoki」ほっといてもライフログ作成とチームのコラボができる

簡単に自分のアクティビティのログをとれること

最近ライフログを取ることが大事!とまでは言わなくても、もったいないなんてことが言われることがあります。 ということで、ライフログを取るための道具の筆頭としてあげられるのがEvernoteですね。

Evernoteはその使いやすさとともに、パソコンだけでなくiPhoneやAndroidなどのアドオンアプリなどの充実で、ちょっとしたメモから、写真の投稿まで実に簡単に行うことができます。

私もちょっとした思いつきから、ちょっと間食や買い物をした時のレシートの写真、ミーティングのメモや議事録、ウェブで見た気になった記事をはじめウェブのクリッピングなど様々なものを取り込んでいます。

ライフログのソースは一つだけではない
でも、記録のソースはEvernoteだけではありませんね。Evernoteが唯一の情報ソースだとすれば、イチイチEvernoteにすべてを取り込まないといけません。

2012年10月5日金曜日

あなたのアカウント情報抜かれていない? セキュリティと便利さの間で

頻発している?セキュリティの問題

それほど頻発しているわけではないですが、twitterのアカウントから情報を抜かれたとか、少し有名な話しだと、アルファブロガーで経済評論家の池田信夫氏のGmailのアカウントが乗っ取られというニュースでネットが賑わっていたような。

誰でもターゲットになりえますし、私もGmailのヘビーユーザーなので、あまり他人ごととも言えません。

この問題への対処としては、やはりセキュリティのレベルを上げるというのが正当な対応となると思います。

対応方法としては、

2012年10月3日水曜日

MacでプレゼンをやりながらiPadのデモを便利にやるツール


MacでプレゼンをやりながらiPadのデモを便利にやるツール

昨日、Apple Store銀座店で「iPhone 5の企業導入で変わるビジネスシーン」というセミナーが行われました。元々、この手のトピックのセミナーに興味があったのと、このセミナーの講師が、私も会員になっているインディペンデント・コントラクター協会(IC協会 http://www.npo-ic.org/index.php)の理事をしている中村貴彦さんということで聞きにいきました。

出たばかりのiPhone5のデモを交えながらの話は面白かったのですが、実は今回のブログのトピックは、それについてではありません。

中村さんが、このプレゼンの中で使用しているツールに私の目が止まったのでそれについてです。(まあ、知っている人は知っているんでしょうけど)

2012年9月28日金曜日

中小企業版Facebookとは一体何者?

本日、2012年9月28日の日刊工業新聞の一面トップの

「中小版”フェイスブック”」という何やら巨大な見出しが目に飛び込んできたので、本日のトピックをこちらでございます。

だいたいにおいて専門紙でこの手の見出しがあると、おそらく国というか官主導だろうなというのが大方のところですが、こちらも例外ではございません。

実際、記事の冒頭にも

「国が企画、管理する”中小企業版フェイスブック”が2013年初めにもスタートする」

とありますが、まずこの冒頭の文面から違和感を感じました。
というか、結論から言うと見出しの”フェイスブック”が記事の内容に対してミスリーディングに思いました。

2012年9月26日水曜日

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(17): クラウド上のCAEソフトを使ってみた

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(17):クラウド上のCAEソフトを使ってみた



先日、クラウド環境で解析できるサービス「Autodesk Simulation 360」(以下、Simulation 360)がオートデスクから発表されました。同社は以前から「クラウド環境とCAEは相性がよい」というようなことを言っていましたが、いよいよそれが具現化したわけですね。

 しかも、このSimulation 360は、機械設計者がよく実行する構造解析だけではなく、流体解析(CFD)などのモジュールも備えます。また構造解析も線形応力解析だけではなく、機構と構造の連成解析、非線形解析や熱伝導、動解析、疲労解析など、より高度な解析もカバーしているため、そのスペックを見る限りでは「実用性は十分」といえるでしょう。

(全文は、MONOistのウェブサイトでご覧ください)



2012年9月24日月曜日

日本のモノづくりに対する思い込みと短絡思考

どうも、ブログを定期的に続けることが難しいようです・・・。

メディアへの記事は定期的にアップしているのですが、どうもブログは後回しになってしまい定期的にアップできていませんでした。

きちんとアップするのが私の課題のようです。

ところで、久々のブログのネタはと言いますと、先日読んだ藤巻健史さんの最新刊「日本大沈没」(幻冬舎)からです。

といっても、為替とか円安論の話でもなく、本の書評でもありません。

この本の中で引用されていたのですが、藤巻氏がNHKラジオで「モノづくり日本の復活には?」という番組を聴いてきた時の話。

2012年9月14日金曜日

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(16): モデルをストレスなくグールグル――3次元マウス

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(16):モデルをストレスなくグールグル――3次元マウス


3次元CADのモデルを回転させるのは、ちょっとイライラする。慣れてしまえばそれまでだけど、何とかならないものか。そんなわけで、3次元マウスを使ってみた!


 3次元CADのオペレーションで使用するコマンドをカウントしてみると、「回転」コマンドの使用回数が一番多いという話を聞いたことがあります。きちんと数えたわけではないのですが、確かに、少なくとも「パン」(パニング:平行移動)や「ズーム」(拡大・縮小)と同じくらいは使うでしょう。ほんの少しだけ3次元モデルを回転させるということもよくあるので、やはり「回転」、つまり3次元モデルをグルグル回す操作は、3次元CADのオペレーションの際、一番多いといえそうです。

 さて、皆さんは、この“3次元モデルをグルグル回す操作”を普段どのようにしていらっしゃいますか?

(全文は、MONOistのウェブサイト上でご覧ください)



2012年8月3日金曜日

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(15): 初心者オジサン、伊予鉄模型で3DCADを覚える

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(15):初心者オジサン、伊予鉄模型で3DCADを覚える


3次元CADを触ったことがなかった人たちが、無償の3次元CAD「Autodesk 123D」を使った模型作りにチャレンジ。作業の面倒くささにもだえつつ、やがて3次元プリントまでたどり着いた。


 皆さま、お暑うございます。とにかく時間がたつのは早いもの。確か、ついこの前は設計・製造ソリューション展の話題で盛り上がっていたと思うのですが、それから早1カ月以上が過ぎ、気が付けば子どもたちは夏休み。そういえば、ちょうど去年の今ごろ、無償3次元CAD「Autodesk 123D」(123D)を紹介した記事「無償3DCADを試す ――そして時代は変わる?」を書いていました。

 その後は、123Dを子どもの夏休みの宿題で使わせてみたり、伊予鉄のNゲージ製作で使ってみたりしました。

 実際、私の周囲で話を聞いてみると、「趣味レベルで、3次元CADが本当に使えるのか?」と、興味を持っている皆さんがいらっしゃる様子でした。ということで2012年7月に、私の会社で123Dを使ってみるセミナーを3回に渡って開くことにしたのです。今回は、その様子を紹介していきます。

(全文は、MONOistのウェブサイト上でご覧ください)



2012年7月5日木曜日

3DとAR iPhoneアプリの「妖精眼鏡」の最新版を試してみた

今朝、Twitterのタイムラインを何となく眺めていたら、ついにiPhoneのARアプリ「妖精眼鏡」の新しいパワーアップされたバージョンがアップされていた。

既にAndroid版のほうはリリースされていたが、Appleの承認の関係でiPhone版のほうが後から出てくるということになったようだ。

ちなみに、妖精眼鏡については既にアイティメディアの記事

「「妖精眼鏡」で遊んで考える、3Dデータのビジネス 」
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1204/13/news006.html
に詳細を書いているので、是非そちらもお読みになってください。

Autodesk123dに学ぶ アプリとクラウドの上手なつなぎ方

もう一年近く前にアイティメディアに寄稿した記事「無償3DCADを試す ――そして時代は変わる?」は、現在も継続的にお読みいただけているようです。

ありがとうございます。

そもそも、3Dモデリングをやりたいのに、趣味に大金をかけられない個人はもとより、企業の方も興味があるのかもしれません。

何しろ特に初めて3D CADを初めて買おうとする場合には、3D CADの何たるか、どうやってモノを作れば良いのかもはっきりわからないうちに大金を使うには覚悟がいります。

評価版があるといっても、一ヶ月くらいの評価期間では、普段の仕事をしている間にあっという間に時間が過ぎてしまい、何もしないうちに期限が切れてしまっているということがよくあります。

はい、つい一昨日私がやらかしたことでもあります。

ということで、なにげにAutodesk123Dは便利でお手軽な無償3Dモデラーとして重宝されることになります。

このソフトのユニークなところとして、特に下記の3点がユニークだと思っています。

  • 無償であるにもかかわらず3次元で形状を作るための機能がほぼ完備されている
  • 無償にもかかわらず独自フォーマット以外に業界で使用される他のファイルの入出力が可能である
  • ファイルをクラウドでセーブでき、またみんなで共有できる
先ほど機能制限はないと言いましたが、実は上記の3つの特徴のうち、後の2点をうまく機能制限的に活用しています。

最近、Autodesk123dについての質問を受けることが多いのですが、そのうちの一が

「どうやったらSTEP形式で保存できますか?」
「STL形式で保存したいのにどうしたらよいのかよくわかりません」

というものです。

確かに、Autodesk123dはこれらを売りにしているのに File > Save as とやってもそのようなメニューがどこにもないのです。

123Dを起動しただけでは、独自形式でのファイル保存だけ


実は、これにはわけがあります。

Autodesk123dはベータ9のバージョンから、独自形式以外の形式でファイルを保存する時には、Autodeskのアカウントにログインする必要があるのです。このアカウントは123dをダウンロードした時に作ったアカウントに登録したメールアドレスとパスワードを使用します。

つまり、こういうことです。

Autodeskアカウントにログインする

クラウドに保存できるようになる(ログインしないとグレイアウト)

クラウドに保存した状態(共有するかどうかは選択可能)


独自形式以外のファイルフォーマットもサポートする

印刷メニューから3Dプリントも可能になる


これって実にうまいやり方ですね。アカウントの作成に必要な個人情報はメールアドレス程度です。それも面倒臭ければFacebookのアカウントでも登録できます。

また、このソフトを使うときには出来るだけのこのコミュニティを意識してくださいね、ということを意識もさせてくれる。

あまり意識をさせないで情報を共有させる新しいやり方か!?

普通に保存のアイコンでセーブしようとすると、クラウドのほうにセーブするように導かれます。(もちろんクラウドに保存したからといって、すぐに共有されるわけではありあませんが)

メニューの保存から保存すれば、これまでどおりローカルに保存できます。

また、この状態になって初めて、STLを初めとする他の形式での保存が可能になります。

従来は、期間制限とお金を払わないと解除できなかったものが、クラウドにログインすると使えるようになる、というのは今風のやり方だし、みんなを巻き込みやすいですね。

このような仕組みは社内のような閉じた環境でも色々と応用できそうですね。

例えば、社内でも有効に活用できるのに、個人のハードディスクの中にあって本人以外誰もその存在を知らないとか、はてはハードディスクがクラッシュして貴重な中身そのものがリカバリー不能の状態になってしまった、などということも避けられます。

2012年6月29日金曜日

コンピューター・ウィルスがこっそり貴重な設計情報がつまったCADデータを国外に送っていたら

もし自分の貴重な設計情報がこっそりと国外に送られていたらと考えるとゾッとしますね。

ところが、どうもそれが現実に起きているようですね。

6月28日付けのDesktop EngineeringのKenneth Wong氏の記事によれば、おそらくは業界を問わず最も使用されているであろうAutoCADをターゲットにしたマルウェアがセキュリティソフトを開発するESETにより報告されているとのことです。

単なるウイルスというよりは、産業スパイを目的としたものと考えられるというのがESETの見解です。

ファイルの感染は、よくありがちなパターンのようでウイルスに感染したAutoCADのファイル(DWG)を開くことでPCがウィルスに感染し、中国の163.comというプロバイダに存在するメールアカウントに知らないうちに勝手にAutoCADのファイルが送信されてしまうというもののようです。

すでにAutodeskもこの事実を認識していてESETとともに対策をしているようです。同社のFAQのページにおいても「ACAD/Medre.A Malware FAQ」という形でそのマルウェアについての情報を公開しています。

このマルウェアはAutoLISPを悪用したプログラムで、DWGファイルを開くとSMTPを使ってDWGファイルを送信するとのこと。ちなみに、ウィルス対策ソフト各社によって、Lisp/Blemfox.A (Microsoft), Trojan.Acad.Bursted.W (BitDefender), ALS.Bursted.B (Symantec)という別名があるようです。

ESETの分析によれば、このウィルスの作者は愉快犯というわけではなく、目的が明確で情報を盗み出すことを意識しているように見えるとのことです。

これは特定のCADの特定の形式のファイルを盗み出すことを目的にしています。またピークを超えてからはこのウィルスの活動は落ち着いていりょうです。

とはいえ、自分が当該CADを使っていないから安心だとは全く言えません。

もし、特定の3D CADのデータ形式を盗み出したほうが目的を達すると考えれば、何かそのような方策を実行するでしょう。

Vanity Fairの記事においても、サイバー産業スパイのプログラムは開発され続けていて、いったいどのくらいの企業が影響を受けているのかはよくわからない、という状況です。

ちょっとしたことですが、ご自分がお使いのPCのセキュリティは常に確保されているでしょうか。設計に使用するPCは、ネットワークから切り離されているとしてもやはり注意が必要でしょう。

インターネットに接続していなくてもUSBメモリなどを経由して感染するということはありますし、それにより逆に他にウィルスを自分が拡散させる原因にもなりえます。悪意がなくても不注意な人間系の行動でも情報をばらまいてしまう可能性あります。

マルウェア対策ソフトを常に最新の状態にしておくことは常識として、それだけではなく、私も機械設計誌(2012年7月号)で紹介したセキュリティ対策等の最新情報を得て、検討するなども考える必要があるでしょう。

というのも、自社ですべてのプロセスが完結する、ということはほとんどないでしょう。外部との協力企業と仕事をするということはあたりまえでしょうし、その際にやり取りするものは、どんどんデジタルファイルになっていきます。

今後も、CADを含む自分が使用しているソフトに関連するセキュリティ情報に気をつける他、ウィルス対策ソフトを含む、様々なサイバーセキュリティについての情報に気を配っていきましょう。

感染すれば被害があなたにとどまらず、関係者にも及ぶかもしれませんので・・・。



2012年6月26日火曜日

長野の内視鏡のメーカーが自社の工業用内視鏡と汎用タブレットを連携

ちょうど一週間前の話ですが、6月18日付の日刊工業新聞によれば、長野県のSPIエンジニアリングが、自社製品の内視鏡カメラとウィンドウズ搭載のタブレットやパソコンと連携するためのアダプタ製品「HKT-USB」が6月20日に発売とのことです。

企業URL:http://www.spieng.com/

これによって同社が製品化している内視鏡とタブレットやパソコンをUSBで簡単に接続することができます。

実は、SPIエンジニアリングについては、筆者も過去に取材をしたことがあり、その内容は機械設計誌(日刊工業新聞社)の2011年5月号で発表しています。

(「変わるモノづくり現場 第20回 ITによる開発営業戦略の融合で活路を見出す」)

SPIエンジニアリングは、長野県長野市に本拠を構える工業用内視鏡のメーカーです。

工業用内視鏡にニーズは様々なところにあります。

例えば、住宅のリフォームなどの際に誤ってガス管に釘を売ってしまうというようなことがあります。その際に、実際にガス管がどのようななっているか、というチェックに使用したり、あるいはビルで光ファイバーなどを通す管が確かに設計通りに施工されているか、というような場合に、工業用の内視鏡が活躍するのです。

今回の発表によれば、従来は専用液晶モニターが必要なものを汎用のタブレット端末で画像を確認できるようになるということになります。

さて、一見何気なく思える内視鏡とタブレットの連携ですが、ある一点で着目に値します。

それは、顧客にとってコストをかけずに既存のリソースを使って内視鏡のメリットを享受できるということと、自社も無用にコストを削ることなく売上を伸ばしていける可能性があるということを両立できる可能性がある、ということです。

前述の機械設計誌の記事にも書いているのですが、同社はベンチャーで小規模という特徴を活かして、大手の工業用内視鏡メーカーが手をだしてきていなかった、品質を大事しながらも安価で数を揃えなければならない現場向けの内視鏡の開発をして注目され顧客を獲得してきました。

開発においても、小回りがきくことを活かして顧客の声を即製品に反映しながら行なっています。

今回のUSBを使ったアダプターの開発においては、顧客の声がどのように反映されたのか筆者は存じていませんが、そのような声が顧客がから上がっていたとしても全く不思議ではなありません。

現在、あらゆるアプリケーションにおいて画像はソフトウェアで処理されています。そのソフトウェアの多くはWindowsなどの汎用PCで動いているはずだ。また汎用PCも低価格化が進むと同時にグラフィックの性能も向上しています。

つまり、わざわざ専用の液晶モニターを使う必然性がなくなってきているといえるでしょう。

顧客にすれば、そのコストが削減されることは間違いなくメリットだとおもいます。

その一方で、SPIエンジニアリングの強みはやはり内視鏡本体の開発能力であろうと私は考えています。それを考えると専用液晶モニターを使う意味は薄いと考えてもそれほどはずしてはいないでしょう。

それよりも、自社の強みである内視鏡本体に既に充分な性能を持つ汎用品をつなげることは、ある意味で必然なのかもしれません。

このことは他のモノづくりのメーカーにも言えることができるでしょう。

今、自分が当たり前だと思っている専用品による製品構成が実は妥当なのかどうか、を一歩引いて、「もし自分がユーザだったら」と考えてみることも大事です

ハードウェアにせよ、ソフトウェアにせよ、かつては高価な専用品が必要であったが、今はあらゆるものが安価に調達することができます。本当に専用品が必要だということは少ないのではないでしょうか。

大事なことは「自社のコアな強みである製品本体」と「汎用のソフトやハード」をつなげることで、どのような新しいプロダクトやサービスを生み出すことができるか、ということに気がつくことだと思います。

お客も自分も喜ぶ組み合わせは何なのか?をこれまで以上に考えていきたいですね。


2012年6月25日月曜日

会議や取材でちょっと便利なiPadアプリ

先週は設計製造ソリューション展(DMS)の取材等々でずっと出張っておりました。

今週はいよいよ溜まった素材をまとめて記事にせねばなりません・・・。

さて、最近はいかなる仕事でもiPadが手放せなくなってきております。
今回のDMSのような取材もそうですし、あるいはそれ以外の仕事でも打ち合わせなどでもそうです。

使用するアプリによっては、Macよりも便利かもしれません。

iPadには色々なアプリを詰め込んでおりますが、入れているものは基本的にはどれも大活躍です。(あまり使わないものは既に消してしまっているという説もありますが)

その中でもインストールして以来、重宝しているのがこれ。

AudioNote


話しをきいて文章をまとめることが多い人は既にお使いの人も多いかもしれません。

ノートをとったところの録音が即座に再生される

iPhoneやiPadアプリでも録音するアプリは既に様々なものが存在していますね。でも、私がこれを重宝している理由はこれ!

「メモったところの録音が後で即座に再生される」

というところです。

取材などを生業にされる方は、ボイスレコーダーで録音される方も多いようです。

私も一瞬そうしていた時もありますが、ボイスレコーダーはあまり使用していません。理由は、

「録音を後で聴き直そうと思っても手間がかかる」

ということです。大体全部を聴き直そうなんてことは、まずありません。

それなりにメモってはありますから、そのメモを手がかりに文章を書き起こします。
録音を聞きたいのは、そのメモだけではちょっと内容に不安がある時です。

つまり・・・

そのメモの瞬間をききたいわけです。ところが、普通の録音ではそれを探し当てるのが結構めんどうなのです。

でも、このAudioNoteの場合には、メモった文章の中のある単語をハイライトすると、その時の録音が再生されるのです。

それはつまり、こういうことです。

1)AudioNoteを起動する
2)録音をスタートする
3)気になったところ、メモしたいことがあったら、ソフトキーボードなり、外付けキーボードでノートをとる
4)そうすると、メモと同時にその横にタイムスタンプが現れる。
5)これはつまり、そのメモに録音のタイムスタンプが紐付いたということ

ということで、今度は再生する時に、メモに紐付いたタイミングのところから再生されます。

AudioNoteでの再生


上記の画像の中でハイライトしているところがわかりにくいので赤い下線を引いていますが、そこをクリックすると時間のスライドバーが指定のところに移動します。

そこで再生ボタンを押せば、ちょうどその部分が再生されます。

もし、必要があるのであれば音声のみのエキスポートや、ノートの部分のみをPDFにしたりプリントすることも可能です。

会話の展開が早いとか、相手の言っていることに詳しくない、なんて時にはメモをとるだけでも苦労するということがあると思います。

そんな時もとりあえずキーワードのみを書いておき、あとでじっくり聞きなおすということも可能です。

つまり、書くことに時間をとられるのではなくて、キーワードのみをメモっておいて、後は相手との会話に集中することができます

取材のようなことだけでなく、会議の議事録をとることが多い方なんかにも便利かもしれません。

話しを聞いて、それをまとめるなんてことは誰にでもあるかもしれないので是非一度使ってみてはいかがでしょうか。

2012年6月22日金曜日

設計製造ソリューション展(DMS)2012 全体の感じ

出展社でもないのに、3日間連続で設計製造ソリューション展(2012)に行ってまいりました。

まだDMSに来ていない関係者には、「今年の状況はどうなの?」ということは聞かれるのですが、主観的な判断でいくと初日は台風4号の影響か若干低調かなと思いましたが(実際主催者発表でも昨年より初日の来場者が少なかったようです)ほぼ例年並みかな、と感じています。

もっとも賑わっているかどうかは、何を中心に見ているのか、ということにも依存しそうです。

縮小傾向のDMSに対して拡大傾向のM-TEC

どういうことかというと、一つは主催者のリードさんから出ているDMSのマップを見るとその傾向が見て取れます。

今年の出店者マップ

どういうことかと言うと、このうちの緑の部分が俗にいうDMSのゾーンです。かつては、この倍以上の広さがあったのですが、今となっては全体の1/4程度になっていますね。青で示されたバーチャルリアリティ展にいたっては端っこのほうになっていました。

変わって何が増えたのかというと、機械要素展(M-TEC)ですね。

そのDMSの中でも比較的賑わっていたところと、そうでないところがありました。

おとなしいCAD、CAEに対して賑わっていた3Dプリンタ

これまでDMSの主役であったCADとかCAEは相対的に静かでした。今となっては、CADもCAEも技術的には成熟してきていて、ユーザが驚くような新機能があるというわけではないという理由もあると思います。

その一方で賑わいがあったのが、3Dプリンタのセクションでありました。ここ1,2年にわたって製造業以外の一般のメディア、テレビなどの露出が増えてきたこともありますし、新しい材料がどんどん出てきたり、低価格機が出てきたり、あるいは様々な活用事例が出てきたりとエンドユーザ側も、もっと活用できるのではという機運が出てきたからかもしれません。

日本でもいよいよ発売開始のHD1500(V-Flashの後継機)

今回のDMSは、丸々3日間をかけてじっくりと回り、3Dプリンタを中心に様々な企業のブースを回って参りました。

詳しくは@IT MONOist上で

詳しいレポートは、今後アイティメディアの@IT MONOist上で連載していきますので、ご期待ください。

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(14): ダイダイダイレクト祭! その3「SolidWorks」

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(14):ダイダイダイレクト祭! その3「SolidWorks」


SolidWorksにもダイレクト編集の機能は付いているけれど、「あくまでもヒストリベースのパラメトリック」という軸はぶらさない。


 さて、今回で3回目となる、3次元CADのダイレクト編集をレビューしまくる企画「ダイダイダイレクト祭」。「Solid Edge」「Autodesk Inventor Fusion」ときたら大体、想像が付くとは思います。やっぱり、米ダッソー・システムズ・ソリッドワークスの「SolidWorks」ですね。

 んー……、でもSolidWorksって、確かにダイレクトライクな操作はできますけど、「ダイレクト編集がどうした」って公の場などで、あまり声高に言っていなかったような気がしていました。「果たしてこの企画は成り立つのか!?」――実はそんな不安を抱きつつも、一方で何となく期待も抱きつつ、結果としては大変面白いお話が聞けました。SolidWorksのポジショニングや、大事にしてきたことも、今回明確になりました。

 結論からいえば、「“ヒストリベースのパラメトリック”という従来の立場を大事にしている」ということが伝わってきた、ということです。――おっと、こう書くと、その後の記事の展開が読めそうですね。まあ、でも続けましょう。

(全文は、MOMOistのウェブサイト上でご覧ください)


2012年6月20日水曜日

調べ物が共有できる楽しめるスマホアプリ「goocus」

本日もスマホアプリネタです。

最近調べ物をする時には、まず行うのがInternetで検索する、あるいは「ググる」という人が多いのではないでしょうか。かく言う私もそうです。

そして、時事ネタなどではなく何か固有の単語だったりフレーズだったりする場合には、検索結果のリンク先がWikipediaであるということも珍しくありません。

Wikipediaについては、その内容の信頼性等について様々な意見がありますが、他の情報ソースとクロスで調べることで十分役に立ちますし、何よりも他のことを調べる際の出発点にもなりえます。

ところで、調べ物というのも別に机のPCの前で大真面目に探すばかりではありません。スマホの普及で、ふと思いついたこととか気になったことを電車か何かに乗りながら調べるという人も多いのではないでしょうか。

つまり、思いついた時に思いついたことを「カジュアル」に調べることが当たり前になっているのではないかと思います。そんな時には、Wikipediaは実にお手軽な情報のソースになります。

かく言う私も、そんなカジュアルな調べ物が増えています。

ところで、そんなカジュアルに調べたものはどうしていますか?

Wikipediaなどで調べていて「へ〜」というものも意外にあったりしませんか?

そんな時に調べたもの共有できたら面白いですよね。
あるいはシェアされた他人の調べ物に触発されて自分が関連する新しいものを調べるなんてこともあります。

で、そんな時に使えるアプリが「goocus」です。iPhone版、Android版ともに用意されています。



googusとは何ぞや・・・というと平たくいうと、Wikipediaの検索をソーシャルにみんなで検索できるアプリです。

goocusアプリ内でのフォロワーが検索したものが共有されて、もし誰かが面白いものを検索していたら即座にリンクをクリックして自分も見ることができます。

さらに検索は普通に「言葉」で検索することもできますし、
キーワードで検索する

検索結果
画面のしたの学んだとかノートなどがこのソフトのポイントの一つ

今の居場所から検索することもできます。
JR国分寺駅あたりで検索

ある検索結果を選択

居場所からの検索は、自分がいる場所の近くに何か有名な名所旧跡なんかがないかな、と検索するときに便利ですね。

また、その調べもので何かを学んだら、それに自分のノートをつけた上で共有することもできるのです。

学んだことなどのノートを自分で自由に作れる

共有はgoocusだけでなく、Facebookやtwitterでもできます。ちなみに、私は両方でシェアをしていますが、特にFacebookにアップした調べ物に、さらにコメントがついたりするのを楽しんでいます。

FacebookやTwitterでみんなと共有


ちなみに、Facebookなどにもポストできることで、自分のライフログの一部として保存することもできますから調べ物の履歴にもなりますね。

最近なにげに面白くて便利に使っています!

Wikipediaという一つの情報をソースを中心にコミュニケーションを図っていくのは案外面白いし、話のスターティングポイントにもなったりしますので、皆さんも是非お試しになってみてはいかがでしょうか?




2012年6月15日金曜日

モバイルの3DビューワのAppsレビュー(1) Solid Edge Mobile Viewer

iPadなどのタブレットを営業を始めとする様々な現場での活用が始まっていますが、製造業の現場でも例外ではなくなってきているみたいですね。

そのような動きを見越してか(まあ流行ということもあるかもしれませんが)、CADベンダー各社さんもiPadアプリをリリースしていますね。その典型的なものが3Dデータのビューワです。

元々タブレットはグリグリとデータを作りこむのには向いていませんから、ビューワとしてはうってつけな感じですね。

そのようなビューワをいくつか取り上げてみたいと思いますが、ビューワApps紹介の第1回は、Solid Edge Mobile Viewerにしてみようと思います。

これは、6月13日にシーメンスPLMさんから発表されたばかりということもあり、この新しい製品がどのようなものか、ということに興味があったこともあります。

では、早速どのようなものか見てみましょう。

+++

アプリそのものは、iPadでApp Storeにアクセスして「Solid Edge Mobile Viewer」と検索すればすぐにでてきます。




早速起動してみると出てくるのは、下記のようなファイルの一覧が表示される画面です。こちらに表示されているのは全てインストール時にあらかじめ入っているものですね。


起動時の画面のファイル一覧



ファイルは特定のビューワファイル形式のみの模様

ファイル名に着目してみると拡張子が「sev」になっています。

ということは、Solid Edgeで出力をする時に、このファイル形式で出力してもらわないといけないということでしょうか。



ビューイングのオペレーションはとてもスムーズ

そのうちの一つ、月面着陸船とおもぼしきものを選んでみます。

では、メニューの探索ついでにこのモデルをいじってみましょう。

これは元々アセンブリのようですが、あるパーツにタッチするとそのパーツの色が変わります。デフォルトは緑色のようですが、これは選択可能なようです。





パーツを選択したあとに、選択したもののみを表示とすると、他の部品は全て非表示になるので、目的の部品のみを検討できるというわけですね。




「i」のアイコンをクリックすると、このパーツ名が表示されます。




色味はこんな感じで変えることができるようです。



で、このスクリーンショットを保存したり、メールで送信したりも可能なようです。




個人的な希望:コミュニケーションを促進する機能をつけて欲しい


ビューイング機能としては、スムーズに動かせるし、ナビゲーションも迷うところはありませんでしたのでそこは満足です。

・・・が、正直申し上げると、せっかくのメーカーオリジナルビューワなので、もう少し色々なことができて欲しいという希望があるのも確かです。

具体的には、

「コミュニケーションツール」

としての機能があって欲しかったというのが私の個人的感想です。


寸法等もファイルに保存された時に存在するものが見られるだけのようなので、本当に見て確認する「ビューワ」そのものですね。

でも、もし営業現場とかにこれを持ちだして使うのであれば、あるいは他の部署とのコミュニケーションをはかるのであれば、ごく簡易なものでも良いので付箋のようにコメントをつけたりできれば、画面のスナップショットをとってメールで送る機能なども生きてくるんじゃなかろうか。


あるいはソーシャルメディアなんかと連携できれば、趣味的な使い方もできたりしてコミュニケーションを促進できるツールになるんじゃないかと思います。


まあ、出たばかりなのでまずはこれで良し、といったところかもしれません。

せっかく、iPadのような手軽なもので3Dのデータを間にはさみながら営業でのプレゼンなどで使用できるようになったのだから、単に情報をプッシュするプレゼンの道具ではなくて、双方向のコミュニケーションができるようになって欲しいな、というのが今回の私の感想です。

ちょっと辛口のコメントになってしまいましたが、小さなアップデートでよいので、是非早いサイクルでコミュニケーション機能がついて欲しいという私の期待ゆえです。

シーメンスPLMさん是非よろしくお願いします~。


2012年6月12日火曜日

iPadの3D?モデリングアプリでツボを作ろう

モデリングアプリと書きましたが、まあ厳密には擬似的な陶芸アプリといったほうが正直でしょう。

しばらく前に、
let&s create! Pottery

というアプリをダウンロードしたのですが、ただひたすら「ろくろ」を回してツボやら何やらを作るだけす。(ダウンロードはこちら

とはいえ、意外にはまってしまい何か煮詰まった時などに時々やっていると妙に心が落ち着いてきます。

450円の有料ソフトなのでちょっと躊躇される方もいらっしゃるかもしれません。
そういう方にはLet's Create Pottery HD liteという無料版のほうがありますので、こちらをお試しになってもよいかもしれません。

で、早速アプリを起動してみましょう。

起動画面はこちらです。
起動画面

こちらから「作る」を選択すると実際に、ろくろを回して作品を作ることになります。どのようにやるのかというとこは実に原始的に指でやりますが、中々思うようになりません。

今回の作品も徳利みたいにしようと思ったのに、ちょっと修正しようとしたのが裏目に出たので一層のこと、ということで形を変えてしまいました。

では、少々操作をご覧ください。

造形中の様子

操作としては本当に簡単です。

ただ、思うようにならないだけです。本当に陶芸をやられる方がやれば、このiPadアプリでも思い通りにできるようになるんでしょうか?

最後に出来上がったツボをバーチャルに焼くとできあがりです。

私の作品はこのようになりました。

完成品の画像

何とかそれなりには見えるようです。

さすがに、本物では完璧に失敗することも多々あるのではとおもいますが、このアプリの場合には特に問題はおきませんでした。

ただ・・・残念なのが、最終の成果物が画像で終わってしまうというのです。
これで、実際に焼き物になって手元に届けばよいのにな〜と思います。

ちなみに、普通のCADなどのソフトでもこのくらいに使いやすくて、取っ付きがよいものがあれば、自分のiPadで何かをモデリングして3Dプリンタでモデリングなんてこともできるかもしれませんね。

簡単なアプリですが、意外に創作欲を刺激されるかもしれませんです。

ではでは


2012年6月6日水曜日

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(13): ダイダイダイレクト祭! その2「Inventor Fusion」

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(13):ダイダイダイレクト祭! その2「Inventor Fusion」 


さまざまなCADのダイレクト編集機能をレビューする企画の2回目。Inventor FusionはCADのように見えるが、CADではない。では、一体何なの?


 「ダイダイダイレクト祭!」ということで前回紹介したのは「Solid Edge」で、キーワードは「シンクロナス・テクノロジ」でした。

 今回はオートデスクの「Autodesk Inventor」(以下、Inventor)です。そうとくれば、キーワードは「Fusion」。実はMONOistの私の記事で、CADを幾つか取り上げてきていますが、直近の古巣だったオートデスクのInventorを取り上げてもいなければ、触ってもいなかったことに気が付きました……。

 というわけで、今回はアップデートも兼ねていろいろとお伺いすることにしたのです。


(全文は、MONOistのウェブサイト上でご覧ください)


2012年5月18日金曜日

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(12): ダイダイダイレクト祭! その1「Solid Edge」

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(12):ダイダイダイレクト祭! その1「Solid Edge」


最近の3次元CADのトレンド「ダイレクトなモデリング」をテーマにさまざまな3次元CADの機能を紹介していく。今回は、Solid Edge。


 コラムの内容が近頃、“柔らかい方向”に走っていたので、たまには“硬い方向”にも行ってみましょう。そういうわけで(!?)今回のテーマは「ダイレクト祭」になりました。さて、ダイレクト祭とは、一体何なのか。

 昨今の3次元CADの傾向として、「ダイレクトに形状を触って編集できる」ことをうたっているのが目立ちます。しかしユーザーからすれば、どれも同じように見えたりします。そのくせ、やっぱり中身は違うみたい……。「正直ちょっと、よく分からない……」という声も結構あるのではないかと思ったのです。

 もちろん、ベンダー各社は、新製品発表の際にいろいろとアピールしています。そして、アピールしている機能もさまざまです。ですがメディアなどで、「ダイレクトに形状を操作すること」について、横断的に紹介した例はあまり見かけません。

 「じゃあ、『一体、何がどう違うのか』ということを各ベンダーに突撃取材して(大げさな……)聞いていってみようぜ!」という企画がMONOist編集部と私の間で進み、いつのまにか「ダイレクト祭」というタイトルが付いていたわけなのでした。

(全文は、MONOistのウェブサイト上でご覧ください)



2012年4月27日金曜日

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(11): お気軽だけど侮れぬ。3Dスキャナで遊んでみた

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(11):お気軽だけど侮れぬ。3Dスキャナで遊んでみた


3次元スキャナでぱぱっとデータを取り込んで、即、3次元出力! ……とはいかず、実はデータ修正に手間が掛かっているわけです……。


というわけで、今回のお題は「3次元スキャナ」です。

 第10回の記事の最後の方で、女性タレントさんの3次元スキャンを紹介したから、というわけではありませんが……、何だか急に、いろいろなものをスキャンしたくなってきました。

 3D-GANには、3次元スキャナが2台ほど鎮座しています。「PICZA LPX-60」(Roland DG)と「NextEngine HD Pro」(NextEngine)です。彼らはしばらく前から3D-GANにいるのですが、今まで、私自身とは縁がないままでした。というのも……。そもそも、これまでに「何か3次元スキャンしよう」というモチベーション自体が私になかったからなのですが。機械的なモノなら自分でモデリングすればよいし、フィギュアなどのキャラクター関係には私の仕事でかかわらないし。

 ……と言いつつも、「1度使ってみれば、何か良い使い道を思いつくかもしれない」と考えてみたわけなのでした。

(全文は、MONOistのウェブサイトでご覧ください)



2012年4月13日金曜日

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(10): 「妖精眼鏡」で遊んで考える、3Dデータのビジネス

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(10):「妖精眼鏡」で遊んで考える、3Dデータのビジネス 


3D-GANが作った「妖精眼鏡」は、写真の中にキャラクター(3次元CG)を呼び出せる楽しいモバイルアプリ。しかし、ビジネスにするには課題もある。


 「例年に比べて寒い」といわれていた冬もようやく終わりを告げて、嵐とともに春がやってきました。この記事を書いている本日も暖かくて気分もすっかり“春な”水野でございます。縮こまったような緊張が溶けて穏やかな陽気になると何だかボーっとしてきます。そして、その“ボーっとした頭”に、ふと、よぎったことがありました。

 3D-GAN(3Dデータを活用する会)という業界団体の事務所に日々居ながら、「そういえば、そこ(3D-GAN)のことはあまり書いていないな~」ってことでした。もっと正確に言えば、「ここで日々起きている、面白い出来ごとを書いていないな~」って感じです。

 いやいや、3D-GANには実に、いろいろな方がいらっしゃいます。“よもやま話”で終わることもやっぱりいっぱいあるのですが、その一方で「ビジネス」になったことも実はあります。

 で、今回はその中の1つを取り上げてみます。3次元データ活用方法の1つということで、読者の皆さんにお役に立てる情報と思います。

 というわけで今回のお題は……、3D-GANの「妖精眼鏡」です。

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2012年2月29日水曜日

3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(9): 無償のAutodesk 123Dで伊予鉄の模型を作ろう

下記は、ITmediaのウェブサイト MONOistに連載している筆者の記事です全文は、記事の最後のリンクから当該ウェブサイトでご覧ください。


3次元って、面白っ! ~操さんの3次元CAD考~(9):無償のAutodesk 123Dで伊予鉄の模型を作ろう


今回は、無償の3次元CAD「Autodesk 123D」で伊予鉄道のNゲージをモデリング。もちろん3次元プリンタで出力可能だ。


 今回は再び、“Autodesk 123Dネタ”です。というのも、2011年7月に公開した「無償3DCADを試す ――そして時代は変わる?」がナンと! 2012年2月時点で、いまだに多くの人に読まれているという状況が続いているからです(皆さま、ありがとうございます)。

 今度はもう少し本格的に、“何か”をモデリングしてみようかと思います。というところでお題が決定しました。

 「Nゲージをモデリングしよう!」です。
     *「Nゲージ」:縮尺が148~160分の1で、軌間9mmの鉄道模型。


 なぜ、そういうことになったのかと言うと、私も理事を務める3次元データを活用する会(3D-GAN)では、現在幾つかのモデリング講座を実施、あるいは計画中だからです。これまでに実施したものとしては、「フィギュア原型師のための初めての3次元モデリング講座」という3次元CGによるモデリングの講座です。そして、その続編として企画中なのが、まさに「Nゲージでモデリングしよう!」。


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